麻雀との出会い

 前回の記事で書いたように、私は学童のスキー教室でギャンブルと出会い、小学生の頃は毎年スキー教室でお菓子を賭けたギャンブル大会に参加してたわけですが、普段はもちろん普通の子どもと同じようにマンガやTVゲームの好きな子どもとして小学校、そして中学校を卒業します。

  地元の公立高校に進学した私でしたが、 1年の秋には中退してしまいました。

理由はつまらなかったから。

公立中学校の場合は同じ地区のいろいろな人間が集まります。

信じられないくらい頭の良いやつや、信じられないくらい馬鹿なやつ、勉強はできないけど面白いやつ、スポーツの得意なやつや、ヤンキーや、真面目君。

いろんなやつらが集まっているから楽しいわけです。

  それとは対象に私が進学した公立高校は一応大学進学率の高さを売りにしている進学校とはいえ、偏差値で言えば県内公立高校の中の中。

私立でもないからスポーツが得意なやつもそんなにはいない。

つまり県内の平凡中の平凡たちが集まる高校だったわけです。

そんな高校なのに校則は厳しく、閉塞感いっぱいの中私は退学届けを提出していました。

  高校を辞めた私はファミレスの厨房のバイトを始めましたが、かなり人見知りの私はバイトの人たちと馴染むこともなく、日々を過ごしいました。

  そんなある日バイトの帰りにたまたま中学校の仲の良かった同級生Mと会います。

中学校時代は仲が良かったものの、再会は卒業以来。

「あれ、Tじゃん!平日の昼間になにしてるんだ?」

   私は少しバツが悪い感じで、高校を辞めたこと、ファミレスでバイトをしながら暮らしていることを話しました。

  するとMは笑いながら「おれもつまんないから辞めちゃったよ」と照れ笑いしながら言いました。

  「とりあえずうち上がれよ、AもSも高校辞めて毎日うちに遊びきてるぜ」

  確かにMの家は中学校時代からいわゆる溜まり場になっており、AもSも私とMの共通の友人でした。

  Mの家の部屋に上がると、テレビ、様々なテレビゲーム、こたつ、ベッド代わりのマットレスと中学校時代のまま。

  程なくしてAとSも合流し、再会を  喜びつつみんなでゲームや思い出話をしながらその日はMの家に泊まりました。

  Mの親も放任主義というか、特にうるさいことも言わない人だったので、私は次の日から、バイト終わりにはMの家に入り浸り、AやSとともににテレビゲームをする毎日。

  私や、A、Sはバイトをしていましたが、Mはぷー太郎(当時ニートという単語はありませんでした)でバイト終わりに3人のうちの誰かが訪問するまで寝ていました。

  ある日いつものようにバイト帰りにMの家に上がると、珍しくMが起きていてゲームをしています。

「あれ、起きてるなんて珍しいじゃん、なにやってんの?」 

  「いやぁ、これ面白くて昨日の夜からずっとやってんだよね」 

私のやっているバイトが終わるのが午後2時くらいでしたので、Mの言う昨日の夜が何時かはわかりませんが、ゆうに10時間以上同じゲームをしていることになります。

  テレビ画面を見るとプレイしているのは麻雀ゲームでした。

  私の顔も振り返らずにプレイしているMの横に転がっているゲームのパッケージのタイトル名は「勝負師伝説 哲也」

  この作品に出会って私の人生は大きく変わることになります。


                             -  続きます-