そして雀荘へ…
麻雀のテレビゲームに続き、リアルの麻雀にもハマった私たち。
次の日がバイトだろうがお構い無しに週3日は徹夜で麻雀をしていました。
みんな自然と牌の扱いにもなれ、配牌などもスムーズに行えるようになります。
しかし、私たちはずっとノーレート、一円も賭けずに麻雀をしていました。
一番大きな理由は、溜まり場の長であるMが大のギャンブル嫌いだったこと。
私や、A、Sは安いレートなら賭けても良かったのですが、さすがにM抜きで3人だけ賭けるのもイマイチつまらない。
しょうがなくノーレートで麻雀をしていましたが、私はなんとなく物足りなさを感じつつありました。
確かに麻雀はノーレートでも楽しめる魅力のあるゲームだとは思いますが、それは4人が真剣に打つという条件があればこそ。
4人が配牌から摸打(ツモって切る)を繰り返し、道中相手リーチや、鳴きが入り、やがて相手リーチの危険牌を掴んでしまう。
捨て牌や自分の手牌を見やり、勝負して切るか、育てあげた手牌を崩して降りるか、はたまた危険牌を使いつつ回し打ちを目指すか。
そういった熟慮を4人が4人行い、それが混ざり合っての真剣勝負、それが麻雀の一番の醍醐味だと私は思うのですが、いかんせんノーレートではなかなかそういった真剣勝負にはなりづらいのです。
なんせ当たり牌を振り込もうが、飛びラスを食らおうが、痛くも痒くもない。
自然とみんなダラダラした麻雀になります。
そして誰も上達しない。
メンツも変わるわけではないので、マンネリになる。
いつしか4人で麻雀をすることも少なくなってきました。
私以外の3人はすでに麻雀熱が冷めていましたが、私は逆に麻雀に対しての情熱が燃え上がっていました。
(もっと真剣な勝負がしたい!金を賭けた真剣勝負をして、そしてそんな場で自分が勝ちたい!)
私はある決意をしていました。
バイト先に行く途中に見かける雀荘の看板。
友人たちとの麻雀に飽いた今、私は雀荘に行く決意を固めていました。